2023年10月16日
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三百字小説『あみちゃんの三つ編み』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 歳が三つのあみちゃんは三つ編みの可愛い女の子だった。

 「あみちゃんが好きなものは何?」

 「パパのカルピス」

 「どうして?」

 「伝統的な瓶の奴をうんと濃く入れてくれるから」

 「ペットボトルのじゃダメ?」

 「ダメ! やっぱりカルピスはパパのじゃないと」

 三つ子の魂百まで。

 結婚しても子供ができても三十になってもあみちゃんはカルピスが好きだった。

 「奥さん、俺の股間から出るカルピスも飲んでくれない?」

 「ダメよ。私が好きなのはパパのカルピスだけよ」

 「君の夫には勝てないよ」

 「そうよ。三つ編みを解くと興奮してうんと濃いのを出してくれるの」

 あみちゃんは三つ編みの可愛い奥さんだった。

(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦